· 

事業再生会社による支援先「倒産」の最新事例(本日報道)

このブログを書いている今は、2020年3月13日、時刻は、PCのクロック表示では15:50となっています。

 

さきほど(午後3時5分)、興信所のホームページを何気なく閲覧したら、このような図表付きの倒産情報が掲載されていました。

引用元:東京経済株式会社『東京経済ニュース』の「大型倒産情報」2020年3月13日掲載分

 

商売柄、興信所さんから配信される倒産情報は気にして見ておりますが、現在のところ、本件倒産情報は、興信所大手の「帝国データバンク」や「東京商工リサーチ」の倒産情報サイトには掲載されていないことを確認しました。

 

サイトに掲載されていないからといっても、情報は掴んでいることもありますから、広く知られている事実なのか、ごく一部だけに知られたホットニュースなのかわかりませんが、半世紀以上の業歴のある信用調査機関によって実名報道されたことは重い事実といえます。

 

倒産情報の代表者欄に見えるのは、事業継承がらみで一世を風靡している若手論客です。

 

『サラリーマンは・・・』というキャッチーな書名の本を出して、後継者難に悩む中小企業の受け皿にサラリーマンが就くことを奨励していたと思ったら、自社で資本投資して事業会社の経営もやっていたのですね。

 

支援と称してアドバイスを行うだけに留まらず、実際に自己資金を投じて資本参加をしたり、経営陣を派遣して実際の経営に参画するというのは、事業支援の1形態ですから、そこまでは結構なことです。

 

ただ気になったのは、受け皿として新規設立した第2会社の資本金が1千万円で、倒産時の負債が11億円と報じられていることです。

 

事業には未知のリスクを完全に排除できませんから、設立から1年10か月での破産処理移行というのも、万やむを得ぬ事情があったのかもしれませんが、この短期間で11億円も負債が計上されているということですから、設立以来、毎月平均5千万円のペースで負債が純増していったことになります。

 

これでは、支援先企業が長年溜め込んだ負債を旧会社に残して、新規設立法人に事業のみ譲渡する第2会社方式の意味がありません。

(それとも、第2会社への事業譲渡に際して、旧債権者が承諾しなかったために債務の一部または全部を承継したのでしょうか?)

 

負債の相手先が、当該法人の身内(経営者個人とか)であって、外部には金銭的なご迷惑を一切お掛け致しておりませんので、余計な心配はご無用に願います。。。というケースもありますから、ここで部外者が知らないままに詮索するのはやめることにします。

 

とはいえ、興信所の記事本文には、「昨年末ごろから支払い遅延が生じていた」とありますので、外部債権者の存在が想定されます。

 

事業会社の代表取締役として、11億円の負債を抱えたまま「破産手続開始を申し立てる予定」(同記事)とのことですから、ご本業の事業継承支援サービスを受けている他に多数ありそうなクライアント企業のことを心配してしまいます。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

2020年5月1日続報

 

JASDAQ上場の平山ホールディングス(1955年創業、「日本のものづくりを支える製造支援会社」同社HPより)が2月14日に発信したIRリリースによれば、同社の子会社がこの「きのこ会社」と取引があり、「取立不能もしくは取立遅延」の恐れがあるため「担保保全以外の債権額134百万円に関し回収困難と判断し、その全額を貸倒引当金繰入額として特別損失に計上することといたしました」と発表していました。上記興信所の発表資料で「代表者」とされている氏名が、このリリースでは「債務者代表」として表示されています。(リリースはこちら) 

 

取引先は上場企業ばかりではないでしょうから、このように公表されていない債務もあるはずです。

 

ところが、この「債務者代表」は「自分たちは個人保証などは一切行なわない」とかねてより別のところで公言していることから、今回の件でも多額の債務不履行を発生させた法人の代表者であり、他企業に対してこうした実損を与えている立場にもかかわらず、無関係のコロナ禍に対して丸の内の高層ビルから(まさに)上から目線でコメントをSNSやマスコミで発信するなど、精力的な「評論家」活動を展開しています。

 

このような煽動家(アジテーター)は、カネとクチは出せても、地道な事業経営はできないことを見事に実証してくれた事例として、中小企業の支援にまじめに取り組んでおられる方々は気を付けなければなりません。

 

丸の内に机を並べているメンバー表をみても、雪深い生産現場に常駐するとか、靴をすり減らして販路開拓に歩き回るといった、地道に業績回復に取り組むような根性と素性の持ち主は見当たりません。

 

そんなことはここだけではなく、自称「再生支援」、その実「和製ハゲタカ」はきょうびそこかしこに跋扈しています。

獲物を探す、値踏みする、スキームを組む、仕留める、ここまでは大好きなのですが、それ以降は、急に興味を失うのが共通点です。(次の狩りに行きたい)

 

本社から数字を見て指示を出す以外に、実業のノウハウも経験も持ち合わせていません。それに対してご本人たちは、「別に。だから?」という調子で、あっけらかんとしたものです。

 

最初から「まじめに事業に取り組みます」などとは、どこにも書いていないのです。

支援するとは言ったけれども、商売するとは言ってませんよ、と。

 

なので、今回のケースも普通の常識では大失敗ですし、これによって支援先企業の従業員、取引先など多大な迷惑をこうむったステークホルダーも大勢いるはずなのですが、そんなことをいちいち気にしていたらハゲタカ業は失格なのです。

 

この世界の定石どおり、失敗案件はひっそりと足抜けして(自社のリリース一覧には公表なく、外部で掲載されているだけ)、次の獲物を狙っているのです。

 

ご用心、ご用心。