· 

キミ、Zoomってどこで売ってるのかね?

 

新聞の折り込みに家電量販店のチラシが入っていました。

そこには、大きくZoomの広告が載っていました。

 

え?

Zoomって、家電店で広告出すのか~!

と早トチリしてはいけません。

 

家電量販店はZoomの販路でもなんでもないので、Zoomがチラシ広告など

出すわけがありません。

 

よくみると、「Zoomが使えるパソコン」の広告でした。

「使えるパソコン」って、そもそも、Zoomが使えないパソコンなんてあるのかよ!?

と思うのもごもっとも。

 

ここからは推測ですが、家電量販店に高齢者のオジサンが多数押しかけて、

「ちょっと、キミ、ズームってどこに売ってるんだね」

とか

「ズーム買いに来たんだけど、どれなの?」

という御下問が続出しているのでしょう。

 

新聞でもテレビでもZoomの話だらけで、ついていけない、こりゃまずいっていうことで、早速お店に駆け付けたというわけです。

 

店に行っても、おもちゃ売り場じゃあるまいし、「Zoom売り場」なんてある筈ありません。

 

ところが、最近は自粛警察でお馴染みの高齢男性です。

とにかく、怖い。

顔つきが「怒ってる顔」がデフォルトに設定されていますから、そんな顔で何か聞かれても、店員さんは怒られているように受け取るのも無理のないことです。

 

ちなみに、自分はアラ還の野郎ですが、その身から見ても、70歳以上の高齢男性は、怖いです。

 

彼らの場合には、とにかく「年齢が上であるかどうか」がほぼ最優先の価値判断基準となっているので、自分のように1廻りも年下の者に対しては、いや~、怖いです。当たりがキツい。

 

なので、20台、30代、40代の店員さんたちからすると、こういうご高齢のお客さんから「ないじゃないか!」と言われるのが一番の恐怖体験なわけです。

 

それで、アプリだとかクラウドだとか、本当のことをいくら言ってもご理解いただきにくいので、「ええーい! 売り場にしちゃえ!」ということで、晴れて「ズーム売り場」が開設されたのでしょう。

 

そうなると、ここは「ズーム売り場」ですから、「これが、あのズームですよ」という具体的に目に見える商品(ドンガラ)が必要になるわけです。

 

それでもって、パソコン、カメラ、マイク、イヤホン、Wifiルータなどが一式セットで登場することと相成ったわけです。

 

こうなったらネット回線の加入も勧めちゃえ、2年縛りもやっちゃえ!、壊れる心配なくても訪問修理サービスに加入して貰っちゃえ!・・・と、ビジネスチャンス(?)は無限に拡大していくわけであります。

 

お店もクレームが減るわ、利益幅の厚い商材ばかりを集めてバンドリングで売れるわ、他店と組み合わせが違うから価格比較もしにくいわ、アマゾン見ても出てないわ・・・で良いことづくめです。

 

ご高齢の自粛警察官の方々も、これでズームを「手に」入れることができました。

 

めでたしめでたし。

これをウィン・ウィンというのでしょうかね。

 

ところが、自宅にめでたくZoomが装備されても、相手がいない。

もうリタイヤしてますから、昔の会社に電話しても誰もZoom会議に呼んでくれませんし(当たり前です)、かといって同年配のお仲間たちは置かれている状況が似たり寄ったり(50歩100歩)なんで、誰も主催できないし招待もできません。

 

ハードが揃ったのに、体験できないのですよ。

これも自粛警察世代の困った現実です。

 

それを見透かしたように!

某大学の同窓会組織が、「Zoom体験会」というバーチャル「会」を企画したのです。

 

そうしたら、なんと会員へメルマガで告知したところ、僅か半日で秒殺(定員オーバー)となってしまったのです。

 

□==================================□

「Zoom体験会」8月の募集終了と9月の予告

□==================================□

昨日、告知させていただきました、「Zoom体験会」ですが、 現在、予想を上回り沢山の方からご応募をいたいております。

そこで8月の募集受付は一旦終了とさせていたきます。

 

 

こちらは部外者ですから勝手に「半日で秒殺」と書きましたが、

実際には数時間か数分で定員オーバーになっていたかもしれません。

 

いや~、この件は学ぶところが大きいと思いました。

 

世の中で、当然の流れのように、ネット投票、ネット選挙、ネット〇〇・・・を提案すると、必ず「お年寄りはどうするのだ!」という「どーするんだ警察」が出動して、企画を潰していくということの繰り返しが近年の日本の光景になっています。

 

そこで!

 

1.まづ、目に見えるモノ(大きければ大きいほうが喜ばれる)を配る

2.体験会にご招待する

3.模擬投票、模擬選挙、模擬〇〇・・・を企画して、次々に開催する

 

このようにすることで、無理矢理でもリテラシーを上げてもらうしかないということが、わかりました。

 

「しかない」というと否定感がありますが、「こうすれば前進可能」ということが分かっただけでも、良かったと思います。