元寇から日本を守った13世紀の遺構に感動

先週末、福岡市の西南学院大学にて開催された組織学会年次大会に参加して参りました。

 

開催校企画としてファミリービジネスに関するセッションが設定され、共同研究の発表とワークショップ形式でのディスカッションに登壇させて頂きました。

 

テーマは、「ファミリービジネスのガバナンス--創業家の正当性とは何か」というもので、トヨタやスズキなど持株比率の低い創業家が経営者として君臨する正当性について論じました。

 

「正当」と「正統」のどちらを用いるべきかということについては、研究チーム内でも議論がありました。正当の反対は不当、正統の反対は異端とすれば、レジティマシーを論じる場面では正統のほうがいいというのが私の意見ですが、大会事務局に登録したのが「正当性」だったので、公式にはこちらの用語になりました。

 

組織学会は非常に厳しい学会で、雑駁な報告には容赦ない指摘がフロアから飛んできます。ファミリービジネス研究といえども、統計データや一次史料に基づく精緻な分析が必須です。

 

司会は加護野忠男先生(神戸大学名誉教授)、チームリーダーは奥村昭博先生(慶応大学名誉教授、静岡県立大学副学長)というビッグネームで、ちょうど日経新聞「私の履歴書」で野中郁次郎教授が共同研究をした仲間として手記中で大きく紹介されていたお2人が登壇されたこともあり、会場はほぼ満席の盛況でした。

発表の出番が初日の午前だったので、6時台の飛行機に乗りました。自宅からは5時発の地下鉄です。都営浅草線から直通の京急快特がうまく接続してくれて、大変速くて快適なアクセスでした。

 

モノレールやスカイライナーも、いったん乗れば速い(特にスカイライナーの成田アクセス線部分は、成田新幹線になるはずだった軌道の最高規格ならではの滑るような走りっぷりが素晴らしい)のですが、浜松町や日暮里での乗換部分で狭い上下動を余儀なくされる点で京急には譲ります。(そのうえ安い!)

 

さて、機材は日本航空が新規購入したばかりのエアバスA350でした。主翼の先端にアールがついているのが特徴です。

 

機体整備の効率からすると、中・大型機は1社製にまとめるのが常道で、MD退役後は長らくボーイング製だけで運用してきた(離島や地方路線向け小型機を除く)のに、突如エアバスとは経済合理性以外の忖度が漂う選択ですが、やっぱり買ったばっかりの新しい乗り物は快適でした。

 

西南学院大学の構内に、13世紀の元寇を防御するために作られた本物の防塁が保存されていました。

民族存亡の危機を救った遺跡が見事に保存されており、苔生し草生す姿に感動を覚えました。