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紙のみぞ知る 媒体の退廃

これは、本日2023年1月3日付の日本経済新聞の朝刊の1面です。よくある付録の第2部とかではなくて、通常の記事がびっしり掲載された本紙です。

 

なんのことかわからないかもしれませんので、少々冗長ですが解説します。

元旦とかには第2部、第3部、、、と延々と付録の企画紙面が挟み込まれます。企画というのは、要するに広告ということです。

 

ルイ・ヴィトンが草間彌生のポップアートを載せました、って。だからこれは企画面でしょ? 

そういうものだと思って、「アレ? 本紙はどこだ?」と探したのですが、ありません。

 

・・・と、標題の左上を見ると、小さく書いてあります。「本日は特別紙面でお届けします。通常紙面は2枚目からになります。」

 

これだけ読んでも、言ってることの意味が分かりません。

パラりとめくって、事態が初めて呑み込めました。

 

 

要するに、1面を売り渡したのです。2面もです。

最終面も、その直前頁もです。

 

本来の1面は3面に格下げです。

この日は1面トップが与太記事だったから良いようなものの、世界を揺るがす大事件を報じるときにも3面でやったのでしょうかね?

 

ちなみに電子版も契約しているので覗いてみましたが、電子版ではルイ・ヴィトンのルの字もなく、淡々と通常の構成になっています。

 

オールドメディアの退潮というか退廃は、電子版だけを見ていてもわからないということです。

 

ちなみに、この日の紙面では、編集委員とか何とかディターなどと立派な肩書を名乗るベテラン記者たちが、それぞれの専門領域について例によって上から目線で有難い解説をしています。

 

国際情勢や社会情勢などを他人事として「解説」する前に、正月早々、庇(ひさし)を売り渡すまで零落した自分家(じぶんち)の心配をしたほうがいいのではないでしょうか?